テンペ菌の力で大豆を発酵させテンペを作ります。ではテンペ菌とは?
テンペ菌はクモノスカビの1種
テンペ菌はクモノスカビの1種で、現在次の3種のクモノスカビがテンペの発酵菌株として認められています。
1,Rhizopus(以降、"R."). oligosporus Saito、2、R. oryzae、3、R. stoloniferです。
クモノスカビは「菌界・接合菌門・接合菌綱・ケカビ目・クモノスカビ科」に属するカビの和名の総称です。
クモノスカビに属する代表的な種が以下です。(出典1、出典2)
・R. stronifer (Ehrenberg: Fr.) Vuillemin:もっとも普通な種
・R. arrhizus Went. et Prinsen Geerl:食品等に利用されるもの
・R. sexualis (Smith) Callen :自家和合性の種
・R. microsporus van Tieghem, 1875
・R. oligosporus (Saito):テンペの醗酵に利用される種(テンペ菌)
・R. oryzae:テンペの醗酵に利用される種(テンペ菌)
・R. stolonifer:テンペの醗酵に利用される種(テンペ菌)
出典2によると多くのスターターはR.oligosporusまたはR.oryzaeを使っているようです。(出典2では3種の菌を用いた時のイソフラボン組成への影響を評価しているので機会をみて纏めて見たいと思います。
R.oligosporuの後ろにsaitoとついているのは日本人が発見したためです。R.oligosporus (saito)の分類学上の正式名称はRhizopus mirosporus van Tieghem var. oligosporus (saito) Schipeer & Stalpersと言います(出典3)。"saito"とは"斉藤"のことで斉藤賢道博士が1905年に中国※・広東州の醸造工場で発見したことにちなんでいます。こんなところにテンペと日本人の関わりがありました。
※テンペは中国からインドネシアに渡った中国人が広めました。発酵ノウハウはインドネシア人ですら知らず、インドネシアがドイツの植民地となった時に公開され今に至ります。
テンペの年表
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テンペに関する世界と日本の年表を作ってみました。新情報あれば随時更新しています♪
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参考文献
出典1)wikipedia「クモノスカビ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/クモノスカビ
出典2)Rhizopus属糸状菌を用いた発酵大豆の食品栄養学術的研究
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/4/46994/20190206100212670665/k7721_4.pdf
出典3)テンペ発酵菌 Rhizopusはどこからきたかーその生態