ネットに公開されているテンペ関係の文献を紹介します。面白かった部分や役に立ちそうな情報をピックアップしています。
1、【論文】「三重県工業研究所 雑豆由来テンペの調製とその特性評価(2017)」
ソラマメ、トラマメ、えんどうマメ、小豆、大豆を用いた。成分分析、官能試験、生理機能評価を実施。24時間で十分に発酵させるテンペ菌の量は豆により異なった。
✓全体が発酵するまでに小豆27時間、トラマメとエンドウマメ38時間を要した。ソラマメは38時間後でも菌糸の伸びが悪かった。生豆50gに足してテンペ菌を500mgとするとどのマメも24時間以内に発酵した。
✓小豆は発酵後に顕著に抗酸化活性が向上した。その他のマメは低下または微増に留まった。
2、【論文】「日本醸造協会雑誌 テンペ微生物学の進歩(1986)」
テンペ菌の最適な育成条件について考察。温度、湿度、pH、酸素濃度など。元気のよいテンペ菌の育て方を理屈で理解可能。失敗したことがない人にも目を通す価値あり。きっと新しい発見があるはず。
育成条件(4つの条件とも他のバクテリアが優勢になりテンペ菌の活動が弱くなってしまうために必要)
✔温度 44℃以下。40℃前後が最も迅速に最も安定して発酵が進む。
✔湿度 低すぎても高すぎてもダメ
✔ pH 酸性領域(7以下)
✔酸素濃度 1.0-6.5%。
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3、【論文】「秋田今野商店 大豆の栄養と機能性 テンペ(発行年2013年以降)」
テンペ菌について、テンペの製造法、発酵中の成分変化、テンペの機能性(栄養、感覚、生体調節)が簡潔に纏められている。
✔インドネシアでは複数の菌株や細菌が混在したRAGI(ラギー)と呼ばれるテンペ菌が主流。
✔発酵により原材料よりも食物繊維量が増え便通が改善しやすくなる。
✔カリウムを多く含むためNa排泄を促し減塩効果を高める。