ネットに公開されているテンペ関係の文献を紹介します。面白かった部分や役に立ちそうな情報をピックアップしています。
4、【テンペ文献】テンペの機能性
岡田憲幸. "テンペの機能性." 日本醸造協会誌 85.6 (1990): 358-363.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/85/6/85_6_358/_article/-char/ja/
前半 大戦中にインドネシア捕虜がテンペを食すと病気(赤痢や下痢)が回復したなど同事例3点を紹介。後半 研究例で抗酸化能やコレステロール減少効果を説明。
5、【テンペ文献】近赤外分光法による大豆発酵食品「テンペ」の発酵状態評価の可能性
坂井絵美; 片山詔久. 近赤外分光法による大豆発酵食品 「テンペ」 の発酵状態評価の可能性. 名古屋文理大学紀要, 2013, 13: 19-26.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nbukiyou/13/0/13_KJ00008386259/_article/-char/ja/
シャーレに大豆とテンペ菌を乗せ発酵過程を近赤外分光法で観察。発酵状態と測定スペクトルに関連性が見られた。発酵が進むと近赤外分光の通り方が菌の発育状況や侵入状況で変化。正常に発酵が進んだ時とそうではない時の見分けが可能な可能性。
RAGI(テンペ菌にキャッサバ澱粉を混合したもの)TEMPEは(RAPRIMA社製 インドネシア産)を(有)ファテマより購入。
6、【論文】インドネシアの商業的農業地域における農家の食料消費
伊藤紀子. インドネシアの商業的農業地域における農家の食料消費-子育て世帯の食事の多様性と儀礼を通じた食事の授受関係に注目した事例分析. フードシステム研究, 2020, 26.4: 337-342.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfsr/26/4/26_337/_pdf
"商業農村"での日常と儀礼※時の摂取品目や食事の多様性の違い(①)と子供の食事獲得の機会を儀礼を通じた食事の教受のネットワーク構造から把握する(②)。①儀礼時は日常よりも肉を消費。また日常よりも多様な食品を摂取②子育て世代は他の世代にくらべて平均的に儀礼に多くの客を招待。食事の教受を通して他の子育て世代と緊密な近隣関係を築く。
※共食行事(スラマタン)文化のこと。1980年代の西ジャワ農村では行事を通して年間消費の31%を世帯外から獲得。しかし、多くの生産米が販売されるようになり90年代には約3%まで低下。現在でも共食の文化は残っているが見返りのない提供は少なくなった。
商業的農村は西ジャワ州タシクマラヤ県とした。ここはインドネシアで初めて国際有機認証を取得し有機米の輸出を開始した県である。